弾まないボールなんかいらない

誰かとサシで会っているとき,何を話せばいいのかわからなくなる時がある.
自然な質問が浮かんでこなかったりして沈黙を選びがちになる.
広すぎる試験範囲のように途方に暮れて,焦っていても,悩んでいても話題が浮かんでくるわけではないのだから,思いつくままに言葉を発せばいいものを,無駄に時間を費やしながら押し黙っている.
こんな風に気軽におしゃべりができない人間を,気軽におしゃべりできる相手と認識してくれる人間はなかなかいない.
気難しい,大人しい,無口,暗い,何を考えているかわからない,なんて言われる.
誤解されるのは,こちら側のコミュニケーション能力によるのでおおいに結構なのだけど,拒絶されるのはなかなか堪えるし,ちがう人とのコミュニケーションのでもそのことが頭をよぎって,何とかスパイラル.


楽しいはなしをしたいだけなのに,その能力が著しく低くて,自分がクソにしか思えない.相手の時間を使ってしまうのもイヤだ.
質問されても一言二言で返してしまってすぐに停滞させてしまい,申し訳ない気持ちでいっぱいになる.


たぶん,変に気を遣う人間の,俺の役割じゃないんだと思う.